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カテゴリ:短歌( 31 )

NHK短歌4月号 佳作秀歌&佳作

新元号が「令和」と決まりました。梅を見ながら和歌を歌った万葉集の序文よりとったとのことで、ちょっと身の引きしまるような気分です。さて、本土では、梅から桜のシーズンですね。でも、奄美での花冷えという言葉がぴったりの今日この頃です。まだまだ底冷えがするような感じです。

●北風(にし)吹きて製糖シーズン迎へれば焼酎蔵に温き香漂ふ
                        浜田ゆり子

今回は、真中朋久選にて、この歌が佳作秀歌になりました。
奄美の冬の風景を詠ったもの。焼酎蔵は、龍郷町にある山田酒造さんを
イメージしました。家族でやっている小さな蔵で、付近にはヒカゲヘゴなども
生えている。焼酎の仕込みが始まるのは、二次仕込みに使う新しい黒糖が
できるようになってからなのですね。焼酎蔵の煙突から白い煙(湯気)が
出てくると、あたりは黒糖の甘い香りに包まれます。
山田酒造の小さな蔵全体が息づいてくるような感じなのです。

奄美では、北風のことを「にし」と呼びます。なんだか不思議ですが、沖縄では
「いり」とも読むようです。西表は「いりおもて」と読みますから。
奄美の言葉の不思議、面白さをこうした歌で詠んでいこうと思っています。

●あの角を曲がればきっと見えてくる紙芝居の声光る水飴
                    浜田ゆり子

 この歌は、私の幼い頃にあった風景を読みました。紙芝居のおじさんが
来たのは、いつも豆腐屋さんの角を曲がった先でした。わくわくしながら
出かけていったものです。そしていつも食べたのはソースせんべい。安いの
に、量がかなりあって好きでした。ときどき、梅が入っている水飴も。
紙芝居見ながら、本当に幸せな時間を過ごしたな〜と思い出します。
松村由利子選で佳作となりました。
 
 

by amami-horizon | 2019-04-02 14:26 | 短歌

角川全国短歌大賞で〜

こんにちは。この度、角川全国短歌大賞にて、自由題部門(馬場あき子選)にて、2首が佳作となり、題詠部門「木、樹」では、都道府県賞(鹿児島県)を頂きました。まだまだですが、ちょっとうれしいです。自由題は4094首、題詠部門は、1543首の応募だったそうです。特に、馬場あき子先生に2首選んでいただいたのがうれしい。実は、昨年、お会いする機会があり、ツーショットも撮らせていただいたので、身近に感じてしまうのです。馬場先生の歌は毅然としていて、好き。「短歌は志」と講演のときに、言われた言葉を大事にしていこうとおもいます。

●馬場あき子選佳作
 秋霖に静まる夜の森のなかルリカケスの眼は濡れてをらむや
 耳寄せて冬蝶の寝息聞きをりぬ潮の香りのモクマオウのなか

●題詠「木、樹」都道府県賞(鹿児島県)/伊勢方信選

 分けいれば森の木霊に囲まれて吾は一本の若木となりぬ

短歌を詠むとき、奄美に来て良かったとつくづく思います。やはり自然が
題材になるのが、うれしい。最近は事務屋をやっているので、
なかなか取材?に出られませんが、記憶のなかの風景や感動を詠んでいます。




by amami-horizon | 2019-03-27 18:11 | 短歌

南日歌壇 2席2首 31.2/28

●雪原にサルルンカムイの鳴き合ひて薄雲のやうな息を吐きたり 浜田ゆり子

(小島ゆかり評/サルルンカムイとは、アイヌ語で湿原の神。そしてタンチョウヅルをこう呼ぶという。その神秘的な呼び名を生かした、美しい一首)2席

「雪」を題詠に短歌をつくらなくてはならなかったのですが、奄美では雪はほとんど降らないので、ぼーっといろいろ考えながら、パソコンを見ていたら広告の写真に、鳴き合う鶴の姿が飛び込んできました。二羽が求愛の仕草か鳴きあっているようで、その口から白い薄雲のような息が見えたのです。生きていることの証拠である息。それにまず感動しました。鶴にも呼吸があるのが、当たり前なのかもしれませんが、驚いた。そして、この鶴の名前がアイヌ語でサルルンカムイであることに、魅せられました。神秘的な名前ですね。まさに湿原の神だと、なんどもなんども見ていました。

●粉雪も淡雪も降らぬ南島の床の間に光る雪松の白

(高野公彦評/白い綿を載せた飾り松を床の間に飾る。南島ならではの旧正月の珍しい風習を詠む。あまり雪を見たことがない人には、その白が目にしむ)2席

以前、ばしゃやま村というところで、旧正月の行事を見たことがあります。かつて、奄美では家々で豚を飼っていて、それを年末に屠殺し、年越しのご馳走を作ったのでした。かつての正月は今の2月頃ですね。
豚は今では家では屠殺はできませんが、この時は屠殺してもらった豚一頭分を、まるごと持ってきて、肉やら骨やら血までをすべて使って様々な料理をつくるところを、取材させてもらいました。
ちょっとショッキングな料理ではありましたが、貴重な体験でありました。
 床の間には、松の上に雪が載っていたので、聞いたところ、南島の風習だそうで、綿を載せたものでした。その白さが、目にのこっていたので、この歌を詠んでみました。さすが、高野先生の読みは素晴らしいですね。


by amami-horizon | 2019-03-05 19:31 | 短歌

NHK短歌 3月号 佳作秀歌

海風に赤土あまく香る朝 春一番とジャガイモ起こす
               浜田ゆり子

徳之島のジャガイモは、「春一番」といいます。赤土で育ったジャガイモで、
全国的にかなり早い出荷で、とても美味しい特産品。沖永良部島のジャガイモは
「春のささやき」。実はこちらのほうが、先に鹿児島県のお墨付きをもらったのですが、
やはりネーミングがよかったかな〜。「春一番」はとてもいいネーミングでした。
どちらも取材に行ったことがあります。赤土は、ほかほかとやわらかい土で、なかからごろごろ
美味しそうなジャガイモが出てくるのですね〜。
南島の暖かい風のなかで、美味しそうなジャガイモを掘り起こしているのは、
見ていても楽しいし、とにかく美味なのであります〜
さわやかな春一番の風を感じながら、「春一番」を掘り起こす楽しさ(笑)を歌いました。

選者は、松村由利子さん。大手新聞社の記者だった歌人です。こんな素朴な歌を
選んでくれて、ありがとうございました〜

by amami-horizon | 2019-02-26 19:52 | 短歌

角川「短歌」佳作 2月号

青々と海かぜ空にさやぐやうに螢ガラスを耳朶にゆらす
                浜田ゆり子

イヤリングが好きで、いろいろ買うのですが、沖縄空港で見たホタルガラスが美しくて、すぐ購入しました。
名前も素敵ですし、その色が藍色とブルーを織り交ぜたような色が、とても気に入りました。さっそくつけてみると
揺れるイヤリングは、海風がさわさわと音を立てているようでした。

角川「短歌」2月号に大井学選で佳作。

by amami-horizon | 2019-02-02 11:18 | 短歌

ぬぼーと浮かぶのです

●うち捨てて忘れたはずの悪事らがぬぼうと浮かぶ白昼の路地

結社のインターネット歌会で出した歌ですが、角川歌壇(501回でした)に掲載された歌。まあ、若いときの記憶が、ときどき浮かぶののですね〜。思い出したくないのに、「ぬぼ〜」っと浮かぶ。そんなこと、みなさん、ありませんか?

by amami-horizon | 2019-01-22 18:08 | 短歌

NHK全国短歌大会 

昨年送った短歌が一首だけ、掲載されて本になってきました。

●大島史洋選(自由詠/佳作)
仕事終へ夜となりたる山道を滴るやうに天の川の降る
                  浜田 ゆり子

何年か前のこと。瀬戸内町加計呂麻島で郷土芸能(おそらく勝能のとら踊りだったかも)の撮影を終えて(私は夫の付き添い)古仁屋港に戻ってきたのですが、すでにもう薄暗くなっていて、そこから名瀬に帰ろうというときでした。

夫が車を運転していたので、暇な私は助手席から夜空をふと見上げたのです。すると、なんということでしょう。星が夜空いっぱいに浮かんでいるではありませんか?

 すごいすごい!という私の声に、太くんは行き先を変え、海沿いの集落に向かったのです。そこは、まるで天の川が滴るように私たちに降っていました。星明かりしかない静寂のなか、魚がパシャっと飛び上がったような音もします。なんという贅沢!

by amami-horizon | 2019-01-22 17:38 | 短歌

NHK短歌 2月号

テーマ「衣服または自由」東直子選(佳作)
●ゴーギャンの塗りたる黄色の流れ出てクロトンの葉はキャンパスとなる
                          浜田ゆり子

クロトンという植物をご存知でしょうか?和名を変葉木といい、赤黄緑などが鮮やかで様々な模様を作り出すのです。特に真夏には、太陽を浴びて光沢を増し、これぞ熱帯亜熱帯という感じ。手間がかからないので、今、我が家の小さな庭(と言えるほどでもないのですが)植えております。ただ水だけでいいので、大好きです〜
 この鮮やかでアートとも思える模様を見ていると、まるでゴーギャンが描いた絵から絵の具が流れてきたのではないかと思えるほど。そんな想像もしたくなる植物です。

by amami-horizon | 2019-01-22 17:21 | 短歌

南日歌壇 31.1.10

小島ゆかり選(4席〜)
●赤ウルメを魚汁(いゅんしる)にして差し出せば「ほう」とすぐさま音立てて食む
(小島評)
(家族の食卓だろうか。内容にも「魚汁(いゅんしる)」という言葉のひびきにも、奄美の風土が感じられる。)

奄美では、ぶつ切りにした魚を味噌汁に入れます。出汁が出て、とても美味しくなりますが、初めて見たときは、「ワイルドだな〜」と驚いたものです。
 ぶつ切りを少し炙るか、から揚げにしたものを入れても美味。伊勢海老やカニも、味噌汁仕立てにするのが一番美味といわれています。
 エビやカニの味噌汁は夫の担当ですが、魚汁くらいは私もつくれる(笑)ので、ときどき作っております。赤ウルメは、高級魚で一匹まるごとから揚げにしたり塩焼きにしてもいただきます。
 身が柔らかくて、ほろほろしていますが、大好きな魚のひとつ。ちょっと骨が多いので、やっかいなところもあります。
奄美に来た当初は、魚が赤かったり、黄色かったり、ブルーだったりしたので驚きましたが、サンゴ礁域で獲れる魚なので、このような色なのでしょう〜私はほとんど好き嫌いがないので、なんでも美味しくいただきました!!



by amami-horizon | 2019-01-22 17:11 | 短歌

NHK短歌 12月号(10月の入選歌) 

夏風邪を引いて寝込んだときの歌です。

テーマ「身体または自由」東直子選(佳作秀歌)
●倒木のやうに身体を横たへて蒼き海に揺るる風邪に伏す午後
                     浜田 ゆり子

※東直子さんの歌は、結構好きですが、特に批評眼に勉強させられます。東さんは、歌人であるばかりか小説家、戯曲家エッセイストでもあります。また大学でも教えていらしてマルチの才能の持ち主。

この歌は、夏風邪で一日だけ寝込んだときに思ったことを歌にしました。風邪でダウンしている自分が、まるで青い海に揺れている倒木のようだと思ったのです。何もできないときは、とにかく身を任すだけです。

by amami-horizon | 2019-01-22 16:58 | 短歌

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